FSW(摩擦攪拌接合:Friction Stir Welding)は、ツールの回転によって発生する摩擦熱と材料の塑性流動を利用し、固相状態(母材融点未満)で接合部を形成する先進的な接合技術です。従来のアーク溶接(TIG/MIG)のように材料を溶融させないため、熱影響や残留応力・ひずみが小さく、高い継手効率(80〜100%)と変形を抑えた高品質な接合を実現します。
当社では試作のお引き合いから量産用ツールの販売までお引き受けいたします。
〇 高品質・高強度な接合
・固相接合により熱影響やひずみ・変形を極小化し、継手強度と製品品質を格段に向上させます。
〇作業環境・環境面への貢献
・溶接ワイヤやシールドガスが不要です。
・スパッタや有害なヒューム(煙)、アーク光が発生せず、前後処理の手間を軽減するとともに高い安全性と作業環境の改善、省エネルギー化を実現します。
〇多種多様な材料・異材接合への対応
・モビリティの軽量化やマルチマテリアル化のニーズに対応します。
・アルミ同士の接合に加え、「Al-Cu(アルミ×銅)」や「Al-Mg(アルミ×マグネシウム)」をはじめとする異種金属接合・異材接合の課題解決に貢献します。
〇主な活用分野
・自動車・輸送機器・各種産業分野など、軽量化や難接合材・異種材料の接合が求められる領域で幅広く活用されています。
<比較>
| 比較項目 | FSW(摩擦攪拌接合) | アーク溶接(TIG/MIG) | EB溶接(電子ビーム) |
接合温度の特徴 |
母材融点未満(固相接合) | 母材を完全に溶融 | 母材を局所的に溶融(真空) |
|
前後の処理
|
前:平面確保 後:製品仕様による |
前:脱脂・開先加工 後:スパッタ除去・熱処理 |
前:脱脂・洗浄 後:熱処理 |
|
熱影響(HAZ)
|
小さい | 大きい | 小さい |
|
残留応力・ひずみ
|
小さい | 大きい | 小〜中 |
|
継手効率(母材比)
|
高(80〜100%) | 中〜高(60〜90%) | 高(80〜100%) |
|
異種金属接合
|
○(例:Al–Cu、Al–Mg) | △(条件による) | △(材料によって制限) |
|
接合形状の自由度
|
中(直線・曲線可) | 高(柔軟なトーチ操作) | 低(直線向き) |
|
主な設備
|
マシニングセンタ,専用ツール | 溶接機,ガス | 電子銃,真空チャンバ |
|
設備コスト
|
中(汎用設備転用可能) | 低〜中 | 高 |
|
接合速度
|
中(数百〜数千mm/min) | 高(熟練者なら高速) | 高(高速走査可能) |
|
安全性・作業環境
|
高(ヒューム・光なし) | 中(アーク光・煙発生) | 高(遮蔽装置内で安全) |
|
再現性・安定性
|
高(数値管理しやすい) | 中(作業者依存大) | 高(自動制御) |
|
消費エネルギー
|
少(溶融なし + 加熱効率高) | 中(電力+熱ロス多) | 非常に多い(高電圧+真空) |
|
自動化の可能性
|
高(CNC制御容易) | 中(自動化は可だが条件多い) | 高(制御装置完備) |
※取扱メーカーの技術データを基に、試作・条件選定から最適なパラメータをご提案いたします。
このような課題解決事例がございます
溶接歪みの削減: 固相接合(母材融点未満での接合)により熱影響やひずみを小さく抑え、変形を防いだ高品質な接合を実現
高機能冷却部材の実現: 高い継手効率(80〜100%)と高い製品品質により、冷却プレート(Al/Al、Cu/Cu、Al/Cu)やヒートシンク(Al-Cu、Al-Mg)の安定接合を実現
異種金属の接合: 「Al-Cu(アルミニウム×銅)」をはじめとする異種金属間における課題解決・高品質接合
異材料の軽量化構造: 「Al-Mg」「Al-鉄」「Al-CFRTP」などの異材接合によるマルチマテリアル化・軽量化の推進
作業環境の改善: 工場内のスパッタ・アーク光・有害な煙(ヒューム)の撤廃によるクリーンで安全な環境づくり
工程とコストの効率化: 溶接ワイヤ・ガス不要による前後処理の手間削減と、消費エネルギーの抑制による製造プロセスの効率化
よくある質問(FAQ)
Q. 従来のアーク溶接(TIG/MIG)との一番の違いは何ですか?
A. 材料を母材融点未満の固相状態で接合する点です。溶融させないため熱影響やひずみ・変形が極めて小さく、継手効率も高水準(80〜100%)に保てます。また、スパッタ除去などの前後処理が不要で、ヒュームやアーク光が発生しないため作業環境や安全面にも優れています。
Q. どのような材料の組み合わせが接合可能ですか?
A. アルミ同士(Al-Al)や銅同士(Cu-Cu)の同種接合が可能です。さらに、「Al-Cu(アルミ×銅)」「Al-Mg(アルミ×マグネシウム)」「Al-鉄」「Al-CFRTP」といった異種金属接合や異材接合にも対応しています。
Q. どんな製品・用途に適していますか?
A. 高い継手強度や製品品質の向上が求められる分野に適しています。具体的な実績事例として、冷却プレート(Al/Al、Cu/Cu、Al/Cu)やヒートシンク(Al-Cu、Al-Mg)などの接合に活用されています。
Q. FSWにデメリットや注意点はありますか?
A. 接合時に強いツール押し付け力(荷重)がかかるため、ワークをしっかり固定する剛性の高い治具が必要です。また、接合の終了地点にツールの抜け痕(穴)が残る特性があります。当社では、これらを考慮した製品設計・治具設計や、抜け痕を残さない接合手法のアプローチを含めてご支援いたします。
関連キーワード
FSW/摩擦攪拌接合/Friction Stir Welding/
アルミ 溶接 歪み 対策/異種金属接合 アルミ 銅/水冷プレート 気密 溶接/
EV バッテリーケース 接合/FSW メリット デメリット/アルミ ダイカスト FSW/摩擦撹拌接合 試作
